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問屋の仕事場から

2018.09.04
小柄の大島紬は小紋スタイル

大島紬と言えば精緻な絵絣を真っ先に想像される方も多いかと思いますが、様々な小柄を散りばめたデザイン展開もされています。まさしく小紋柄といえますが、先染め織物ですので紬に分類されています。今回はそんな小紋スタイルの大島紬の紹介です。

小紋とはその名のとおり「小さい紋様」が全体に入っている柄の着物の事です。昔は型染めを基本としていたため、同じパターンの繰り返し柄になります。現在では手仕事の高級品だけではなく、機械で量産された廉価品も気軽なカジュアル着物として広まっています。細かな突き彫りの霰模様や多彩な色使い、曲線を多様した大胆な柄付けといった自由度の高さは先染め織物には容易にマネのできない点です。

様々なカジュアル小紋柄、風呂敷から。

WEBで検索すると様々な小紋柄がヒットする。

この小紋柄を絣模様で表現しようとすると大変な手間がかかるのですが、締め機で絣を作る大島紬においては小柄の連続は得意分野です。繰り返しパターン考察の項で紹介した通り、大島紬は同じ柄を上下左右反転させた繰り返し柄になっています。その点では大島紬は全てが小紋ということができますが、今回は小柄(小絣)を使った商品を紹介していきます。

多様な絣、鹿児島県工業技術センター、大島紬絣文様集より

大島紬の絣は当初は琉球の絣の影響を強く受けていましたが、明治の終わりごろから独自柄が発案されるようになりました。締め機の登場に伴い精緻な絣を作ることが可能になると、各集落の風土を織り交ぜた多様な絣が生み出され、比類なき多様性を持つようになりました。地色が淡彩なので地味な印象も受けますが、オトナの小紋柄として染め小紋に負けない魅力を放っています。

さっそく紹介していきます。

全ての基本となる十字絣、大島紬独自の経絣糸2本(1元)×緯絣2本で力強い十字が表現されている。

井桁絣、他の織物にも共通する基本柄。

大小の□で表現された柄、単純なようでしっかりとした絣合わせが必要。

十字絣と経緯絣の単純な組合せで編み物のように見える柄。

算崩し柄を多色使いで表現した柄。

ゼンと呼ばれる伝統柄。

割込み式という絣を使うことで型染めでは困難な模様も。

市松模様も凝ればここまで複雑な表現ができる。

泥大島だと地色が黒いのでどうしても暗めになってしまいますが、色大島、白大島ですと地色が明るくなりますのでガラッと雰囲気は変わります。

伝統的な龍郷柄も小紋の一種。

以上、小絣を使用した大島紬をざっと紹介しました。

そのほとんどが小紋柄(小さな紋様の繰り返し)と言っても過言ではない大島紬、紬と名を冠しながらも紬糸を使用しないので他の紬織物とは一線を画す別物です。小紋をお探しの場合は大島紬の小柄も検討してみてはいかがでしょうか。染の小紋では実現できない柄にきっと出会えるはずです。

 

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