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問屋の仕事場から

2021.07.30
贅沢な紬生地の腰張 こだわりのインテリアのススメ

廣田紬の社屋では織物をインテリアにあしらった箇所が所々にあります。今回、腰張りの張り替えを行うついでに、紬を壁に貼り施工してもらいました。

期末の恒例行事の社屋の修繕、今季は腰張りの張り替えを行いました。「腰張り」とは土壁の保護紙のことで、物や人が接触しやすい壁の下部に和紙を貼りつけていきます。現在の家屋ではコンクリートの上から内装を行いますので、腰張りは元祖壁紙とも言えるべき存在です。

白が「西ノ内」、ブルーグレーが「湊」という種類の紙で、2階の展示会場は今回「湊」から「西ノ内」に全て張り替え、白に変わりました。

一階座敷の濃い青の「湊」、空間にシマりを与える。

白の西ノ内、継ぎ目はアクセント。

掛け軸などの表装を加工する工程と共通点が多いのか、腰張りの張り替え作業は表具屋さんのテリトリーです。熟達の職人が刷毛で糊(フノリ:海藻由来)を塗って壁に和紙を丁寧に貼り付けていきます。

今回は和紙の腰張りだけではなく、紬生地を使って座敷の腰張りをしていただきました。

紬生地をそのまま壁に貼るわけにはいきませんので、和紙で裏打ちして必要な寸法に裁断、壁に貼り付けていきます。

和紙を裏打ちして、裁断した生地。

新しく張り替えた紬の腰張り。紬問屋ならではのアクセント。

自由に使える紬のストックがたくさんある紬問屋という立場だからできる贅沢な内装です。

表具屋さん曰く、着なくなった着物を解いて腰張りに使う方が結構いらっしゃるということでした。着物を解けば一枚の布に戻すことができます。腰張りの高さは30センチ程度ですので、高さは反物幅以下に収まります。

襟の箇所は高さが足りないとしても、10m以上は使うことができますので、ゆうに一部屋分は足りるでしょう。

結城紬の縞柄(縦シマ)を継ぎ合わせた襖の表装、継ぎ目が全くわからないのが職人のウデ。

普通の腰張りでは面白くない、お部屋の雰囲気を変えたい時は是非一度検討してみてください。

現在では様々な「本物ライク」に見える壁紙が存在しています。

本物はコストの観点で商用利用は難しいかもしれませんが、個人の趣味であればコストを度外視することも許されます。人生の大半を長く付き合うことになる部屋の内装、とことんこだわってみてはいかがでしょうか。

結城紬の白生地を後染め加工したもの。@廣田紬2F展示会場

廣田紬ではこだわりの内装に応じた生地をご紹介さしあげますので、是非お問い合わせいただければと思います。

 

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