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問屋の仕事場から

2020.01.30
高身長男性向けのシンプル夏大島

夏大島といえば強撚糸を使うことでシャリ感を演出した夏の絹織物です。廣田紬では縞、格子デザインのシンプル夏大島を展開していますが、高身長の人にも対応した広巾の商品が織りあがってきました。

一般的な身長の男性が着物を作る場合、反物巾は1尺5分ほどあれば十分足ります。現代の男性の身長の中央値は約170㎝で、高身長の目安の180㎝以上の人は全体の約5%となります。近年は裄を必要以上に長くとる傾向もあり、それら高身長の人の場合は広い巾が必要になることがあります。

この夏大島は1尺8分以上の巾があり、高身長の方でも十分対応が可能です。夏物は仕立て時の折り返し部分が濃く出て目立ってしまうため、低身長の人がこの巾で無理に仕立てるとよろしくありません。薄地で淡い色の場合、大は小を兼ねるわけではないのです。

デザインは子持ち縞と呼ばれる太い筋に細い筋がよりそったもの。

組織を拡大して見ると縞割りの様子がよくわかります。

隙間が空いた粗く織られた生地からは、風の通りがとても良いことがわかります。使われる糸は経糸、緯糸ともに強く撚られた双糸、組織が粗くても十分な強度が確保されています。

背景が透ける夏大島、淡い色は見た目の涼しさも演出してくれる。

着物だけでなく羽織にも最適で、透け感のある上品な装いをもたらしてくれるでしょう。

また、シンプルデザインの夏大島は絣合わせなどの手間は不要、自動織機で織られますので高額な亀甲絣の夏大島と比較して大変リーズナブルな価格で求めることができます。

昨今の着物市場の様相ですと、高身長の男性(全体人口でいえば2.5%)の人をターゲットに商品開発する余裕はなかなかありませんが、廣田紬ではこれら特殊品にもスポットを当てています。

 

経糸と同じ縞割を緯糸に挟むことで格子デザインとしたもの。

地色のみ変えたベージュの商品、白と同様に格子デザインも。

 

 

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