首里道屯織は王家や士族階級の織物だけあって、数ある浮き織の中…
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問屋の仕事場から
- 2019.11.18
- 彩り豊かなグーシハナウィの角帯
遊び心あふれるミンサーの角帯が入荷してきました。
シンプルになりがちな男の着物にアクセントを加える角帯、今回紹介の花織をあしらった角帯はおしゃれ心をくすぐる逸品に仕上がっています。
ミンサーは綿(ミン)の巾が狭い(サー)織物のことです。コースターなどに小物に加工した商品はどこの土産物屋でも売られていて、沖縄の染織品として一番身近なものです。シンプルな無地ではなく糸を浮かせて模様(花織:ハナウィ)を作り出すのが一般的です。
この商品も連続する「へ」の字が浮き織で作られています。竹串(グーシ)を用いて糸を持ち上げて織り進めることから、グーシハナウィと呼ばれています。グーシ花織は八重山ミンサーなどが有名ですが、技術自体は大変シンプルなもの、沖縄各地の工房で作られています。
今回織っていただいたのは「蘭からふ工房」さん、ミンサーの半巾帯や角帯をはじめ様々なミンサーの小物をつくってらっしゃいます。うるま市を拠点にする本工房は国指定の伝統的工芸品の指定は受けることができず、伝統マークは付与されていません。
金色に輝く伝統マークがなくとも、手仕事の味はしっかりと伝わってきます。花織といえば繊細で可憐な柄のイメージですが、複数の経糸が太い緯糸をまたぐ様子は、シンプルではありますがその迫力が見て取れます。
沖縄らしい鮮やかなカラーバリエーションもうれしいところです。
オシャレ心をくすぐるグーシハナウィの角帯、ミンサー帯の例にもれず大変リーズナブルなので一本ワードローブに加えてみてはいかがでしょうか。