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問屋の仕事場から

2023.03.26
イラン工芸織物の至宝、世界に認められたペルシャ絨毯

過日、玄想庵ギャラリーでペルシャ絨毯の展示、販売会が行われました。

韓国のポジャギ、カンボジアのピダンに続く海外織物紹介第三弾、イランのペルシャ絨毯について紹介します。

主催はペルシャ絨毯を専門に扱われるEtoile A さん、高級ラインを中心に取り扱われていて選りすぐりの逸品が並びます。

ペルシャ絨毯と一口に言っても様々な素材、サイズ、クオリティがあります。

詳しくはウィキペディアを参照していただくとして、同じ伝統工芸織物を要する日本の和装産業が見習わないといけない点があります。

それは自国の伝統工芸織物が世界中に認められ、貴重な外貨収入となっているということです。

イランからの輸出額ベースで約4〜5億ドル(600億円程度)にもなります。流通価格はその何倍にもなるでしょうから、和装市場(2000億円程度)にも劣らない規模になっています。イランの輸出品目といえば石油のイメージがありますが、ペルシャ絨毯も重要な輸出品目になっています。

かつて日本もシルク製品を輸出製品としていた時代がありました。明治後期には世界一の生糸輸出国となり70年間以上、輸出品目第一位だったのです。それで得た外貨で日本の近代化が成し遂げられたと言っても過言ではありません。

流石に現代では工芸織物の輸出が外貨収入の主品目になることはないでしょうが、海外需要に支えられて沸き立つ和装産地を夢見てみたいものです。

 

日本の織物も絨毯やタペストリーといった、和洋問わずに普遍的なシーンで使うことのできるアイテムに姿を変えることが、少なからぬ海外需要を歓喜することになるはずです。

こちらは廣田紬の定例展示会の際に玄関に設置してあるペルシャ絨毯、今回主催のEtoile Aさん曰く絹と子羊の毛が使われていて相当な逸品だそうです。絨毯の良し悪しは裏を見ればわかるそうで、確かにしっとりとした質感で良い品であることが伝わってきます。

世界に認められたペルシャ絨毯、日本の工芸織物の輸出を成功させるにあたり、学ぶべきことがたくさんあるような気がします。

本ブログは日本の布の魅力を紹介するブログですが、3月はたまたま海外織物の展示会が続きましたので紹介させていただきました。また機会ありましたら海外織物の紹介をしたいと思います。

※廣田紬ではペルシャ絨毯の取り扱いはございません

 

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