夏用マスク生地として注目を集めているアイスコットンの襦袢生地…
- ブログ -
問屋の仕事場から
- 2021.04.17
- 【蒸れない】最高の夏マスク 魔法のアイスコットン襦袢生地
蒸れずに肌に優しい最高のマスク生地「アイスコットン」、今年も快適夏マスクが手放せない季節がやってきます。廣田紬オリジナルの魔法の生地を紹介いたします。
※マスクメーカー、業者の方は別途お問い合わせください
必需品となったマスクですが、夏の暑い時期に装着し続けるのはとても辛いものがあります。
蒸し暑い日本の夏、マスクをし続けるのはとても耐えられたものではありません。使い捨ての不織布マスクでは蒸れてしまい、空調のきいた室内以外では使い続けることが困難です。そのため様々な機能性をもつ夏マスクが販売されていますが、化学繊維を使ったそれらは肌が荒れてしまうこともあります。特にアレルギー体質の場合、天然繊維以外は受け付けない方も多くいらっしゃいます。
そこで理想的な夏のマスク生地として紹介するのが「アイスコットン襦袢生地」です。
呉服の襦袢に使われる魔法のガーゼ生地
襦袢(じゅばん)とは着物の下に着るインナーのこと、アイスコットン襦袢は暑い日本の夏に対応するため、廣田紬が三年の歳月をかけて織元と共同開発した特別な生地です。汗を吸い、すぐに発散、サラッと快適に過ごしてもらえる工夫がしてあります。
緯糸には「アイスコットン」というスイスの紡績メーカーが開発した特殊強撚糸を使っています。
繊維の隙間をなくした特殊な糸は空気の層を作る余裕を与えず、肌に触れた時にいち早く熱を発散します。さらに経糸には麻が混紡された糸を用いており、独自のシャリ感を持たせることに成功しています。生地に触れてみると綿の優しい風合いと、麻のシャリ感がベストなバランスで同居していることがわかります。
このアイスコットン襦袢生地は通気性にも優れた生地ですが、肌から熱を奪う「接触冷感」の能力にも優れています。
接触冷感とはそれに触れた時に肌がヒヤッとする感覚のことです。コンニャクやガラスなどに触れた時のあの感じ、肌の熱の素早い移動が物質におこることで感じられます。これを定量化したのがQmax値というもので、このアイスコットン襦袢生地は涼しいと感じる基準値より50%以上多い値が得られています。
麻が15%ほど入っているのがポイントで、他の様々なアイスコットン生地と比較して抜群のサラッと感を作り出しています。麻の産地である近江の加工技術でサラッと上質な綿麻生地に仕上がっているのです。さらにニット生地(編み物)ではなく、通気性のよい織物であることもポイント、他のアイスコットン生地とはガーゼとしての適性が段違いに優れています。
レビューしてくださったT様に動画(YouTube)へのリンクの許可をいただきました。アイスコットン襦袢生地を裏面使いされた時のレビューとなりますので参考にしてください。
マスク向けアイスコットンは数量限定
昨年はアイスコットン生地をブログで紹介するとアクセスが急増、切売り販売のご依頼を多数いただいたことからECページを急造しました。GWが明けたころから注文が殺到、芸能人ブログなどで取り上げられたこともありすぐに在庫切れとなってしまいました。すぐに追加生産をかけたものの、製造に3ヶ月程度を要することから、たくさんのバックオーダーを抱え、長らく皆様をお待たせしてしまう申し訳ない状態が続きました。
アイスコットン襦袢生地は製造能力が限られているので、一般的な生地と比較して急な増産ができません。さらに本来の襦袢としての需要がありますのでマスク生地として投入可能な量がどうしても限られてしまいます。本年も生産数の大半が受注品で割り当てがきまっており、マスク用途に回せる量に限りがあります。昨年の反省を生かし、在庫切れ状態が続くことのないように生産現場とも連携を密にしておりますが、売り切れの際はご容赦ください。
その他にも魅力的な和装用の特別な夏生地
昨年はアイスコットンの入荷待ちが続いたため、近江ちぢみ、小千谷ちぢみなど他の和装用の生地を紹介しました。するとこちらも欠品アイテムが続出、都度代替えアイテムを紹介せざるを得ない状況となりました。
上質な麻生地の気持ち良さ、日本の伝統の布の素晴らしさを知ってもらう良い機会となりました。和装向けの小幅の生地は、大量生産される洋服向けの生地と異なり、コストをかけて丁寧に作られています。小さい趣味性の高い市場ですが、目の肥えたユーザーにむけて高品質な生地が作られているのです。
マスク不足が解消し、暑い夏が終わってもたくさんのリピーターの方から引き続き注文をいただきました。ワンシーズン限りの特設ECサイトにする予定でしたが、需要にこたえて秋冬物の展開、そして開設して一年を迎えようとしています。
お客様感謝価格のアウトレット品
現在は襦袢向けの反物(参考小売価格 4万円程/1反:12メートル)を切り売りしているため、どうしても割高な価格設定となっています。
そこで生産途中で発生した中途半端な長さのハギレをお客様感謝価格のアウトレット品として60%割引にて販売しています。様々な条件がありますが、またとない機会ですのでお早めのご注文をお勧め致します。
生地を縫製するのが面倒な方へはマスクの完成品
昨年はアイスコットン襦袢生地のあまりの需要の多さからマスクに縫製に回す余裕がなく、生地売りのみの対応でした。仕方なく柄のあるアイスコットン着物生地をマスクに仕立てて販売していましたが、今年はマスクも数量限定ですが作成しています。
生地を縫製するのが面倒、マスクを作る自信がない方は完成品をお買い求めいただくことも可能です。和裁士が丁寧に作りこんだマスク、美しいラインをもつハンサムマスクです。
ご購入いただいたお客様の声
以下、実際に購入いただいたお客様の声の一部です。リピーター様を中心とした編集をしていない生の声(商品の納品書備考欄からの切り抜き)となります。通常の生地に比べて少々お値段は張りますが、一度使ったら手放せないとの嬉しいお声を多数いただいております。
以上、暑くつらい時期を快適に過ごしていただけるアイスコットン襦袢生地の紹介でした。コロナ禍という不幸な状況下ではありますが、マスクを通じて日本の愛すべき布を発見いただければ幸いです。
※反物のサイズは長さ12.4m×幅0.4m、生地面積は約5㎡ございます。
※今回紹介の生地で製造されたマスクの防疫効果を保証するものではありません。
こちらにてアイスコットン生地のQ&Aをまとめております。