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問屋の仕事場から

2020.06.09
アイスコットンの高級シャツ生地

天然繊維で接触冷感を実現したアイスコットン、綾織(ツイル)にすることで美しい光沢を放つ上質な生地となります。

マスク用の素材として一般消費者様向けに切売りを始めたアイスコットンの襦袢生地、生産が追いつかず品薄状態が続いています。和装向けの襦袢として使われていた生地ですが、アイスコットンという素材自体は高級シャツなどの素材として使われていました。

市場に流通するアイスコットンの生地はニット製品(編み物)が多く、夏用マスクとしての通気性の点で難がありました。一方、アイスコットン襦袢は経糸と緯糸が交差する織物(ガーゼ)、経糸に綿麻の混紡糸を使用しており、適度なシャリ感、ハリ感で夏のマスク用生地としてベストな選択肢となったのでした。

アイスコットン襦袢生地の品切れ状態に対して、たくさんのお問い合わせをいただきましたが、個別の入荷案内や取り置き対応ができず大変ご不便をおかけしております。夏本番を迎え、急増する需要にお答えするため、普通幅(112cm)の織物タイプを発売することになりました。

 

 

アイスコットンの綾織シャツ生地

アイスコットンの綾織シャツ生地と襦袢生地の大きな違いは、素材、組織、生地幅です。

分かりやすいように比較表を作成してみました。

 

素材

綿100%となり、緯糸にアイスコットン糸を使っています。襦袢生地は麻のシャリ感でサラッとしていましたが、綿100%となったことでより肌あたりが優しいものになりました。またシルケット加工がされていますので、シルクのような肌触りを実現しています。

襦袢生地は麻独自のハリがあったため、ドレープ性の高い物ではありませんでしたが、こちらはしなやかにドレープします。

 

組織

綾織(ツイル)で織られていて、生地に伸縮性があります。豊かな光沢を放ち、織柄で市松模様を出しています。糸が浮いている箇所があるため、平織りに比べて生地は繊細なものになりますが、マスクで使用する分には耐久性に問題はありません。生地目がそれなりに詰まっていますが、呼吸を妨げるものではなく通気性も確保されています。

 

生地幅

普通幅112㎝で織られています。襦袢生地は普通幅を3分割したサイズ(小幅:約40cm)になっていましたが、こちらは洋服向け生地として生産される一般的なサイズです。マスクを手作りするには取り回しの良いサイズとは言えませんが、生産効率も上がったことで、面積あたりの単価が大きくコストダウン。よりリーズナブルにお買い求めいただけます。

 

 

異なる素材、織り方、生地幅となることで、シャツ生地と襦袢生地の両者の違いは以下の通りとなります。ざっくりとしたものですが、参考にしてください。

 

 

 

シャツ生地のカラーバリエーションは白、青、紫の3色となり、緯糸(アイスコットン)の色がそれぞれ違います。

高級シャツ生地から作られる冷感マスク、どのような仕上がりになるか楽しみです。

 

ご購入はECサイトからしていただけます。

また、業者の方で本生地の卸売対応につきましてはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

 

 

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