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問屋の仕事場から

2021.04.22
色絣のおしゃれ近江ちぢみ

暑い夏をのりきるため考え出された近江ちぢみ、小千谷ちぢみと同じく定番の夏着物になりましたが、おしゃれなデザインで攻めている商品を紹介します。

こちらの近江ちぢみ、やたら縞と呼ばれるランダムなピッチの縞柄です。シボを演出するちぢみ加工のおかげで縞に揺らぎがあります。

濃い地色に4色(青、緑、橙、生成)の経糸が走っていて、単純な縞柄に比べて一段とオシャレな雰囲気に仕上がっています。色糸の使い方もうるさ過ぎないのが粋なところで、男性、女性問わずお使いいただけるものです。

この縞の色糸、よくみてみると途中で色が変わっているのがお分かりでしょうか。

 

矢印の箇所、青いラインが途中で緑に変わっています。実はこの経糸、途中で色を染め変えた絣糸だったのです。

組織を拡大してみましょう。

この画像は経糸が横方向ですが、途中で青と緑に色が別れていることがわかります。

縞の色絣が散りばめられていることになりますが、パッと見ただけではそれはわかりません。仕立て上がって着物として見たときに、普通の色縞とは明確に違う上品さを演出してくれるのです。

地色の違う別のタイプと重ねて。緯糸の色を変える事で異なる雰囲気に仕上がる。

感の良い方はお分かりになったかもしれませんが、この色絣糸は2色に染めわけているのではなく、1本に青、緑、橙、生成の4色全てが入っています。4色に染めわけた絣糸を整経時にずらして配置、緯糸を打ち込んで織り上げています。それぞれの経絣糸は絶妙なバランスで色が変化して、生地の表情を豊かにしてくれます。

美しい色絣のオシャレ近江ちぢみ、ぜひ一度手にとって生地をよく観察してみてください。

 

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