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問屋の仕事場から

2020.06.17
ピンヘッドの近江ちぢみ

生地表面に独自のシボ加工をすることで肌への纏わりつきを抑えた近江ちぢみ、ピンヘッドの爽やかな商品が織りあがってきました。

ピンヘッドとは針の頭を整列させたような細かい柄のことで、微塵格子とも呼ばれる無地感覚のデザインです。

遠目に見ると完全に無地に見えます。

うすピンクの近江ちぢみ、独自の経シボが現れている。

経糸にはスラブ糸(節感のある加工をした糸)が使われていて、ところどころに縦のネップが現れます。

ところどころに現れるネップは雨絣のよう。

生地を拡大してみると、経糸は全て白、緯糸に白、ピンク、白、ピンクと交互に配置されていることがわかります。経糸が太いところはスラブ糸、紡績過程で意図的に太く仕上げてあり、一本の経糸の中で太い箇所と細い箇所が同居しています。

よりピンヘッドという言葉がわかりやすいのが、濃色の緯糸が入ったこちら。

たくさんの細かいドットが並んでまさにピンヘッド、場所によってはHに見えて、最近の糸を押し込む方式の針のおしりにも見えてきます。色糸と白糸を一本づつ配置するだけで生まれる立体感、さらにちぢみ加工のシボで更に奥行きを演出しています。

オレンジ、ベージュ、ピンク、パープル、グレーのカラバリ。

見た目は無地ですが、立体感を演出する工夫がされている粋な近江ちぢみ、ワンランク上の普段着物としてこの夏のお供に加えてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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