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問屋の仕事場から

2019.03.08
麻糸を捩った夏のオシャレ角帯 

近江ちぢみといったカジュアル着物に合わせる夏用の角帯、捩り織りで透け感を演出した商品を紹介します。

今回紹介する角帯はできるだけ粗野な糸を使をつかうことで、自然布に近い状態に仕上げています。一口に麻といっても麻糸は様々な製造方法があります。機械紡績された紡績糸は均一な細さで強度の強い糸ですが、織り上げた時にはフラットで面白味に欠ける風合いになってしまいます。

機械紡績で均質な糸をとるには幾段階の過程を経るのですが、不純物を取り除く工程を調整することでできるだけ粗野な糸に近づけることができます。

粗野な麻糸、手前は漂白したもの。

粗野な糸を織り交ぜて使うことで可能な限り自然布に近い状態になります。

そして大切なのが季節感を演出する透け具合です。世の中には麻を使っていればなんでも夏帯を呼称している商品がありますが、素材にかかわらず夏物は透け感が大切な要素です。

表面の拡大、いわゆる三本絽になっている。クロスしている別の糸はミシン縫製の糸。

経糸を捩って緯糸を通すことで大きな空間がうまれます。絡み織と呼ばれる手法ですが、この角帯は3本の緯糸を捩り合わせて透け感を演出しています。絡み織は軽く薄く仕上がる一方、帯としての締め具合がどうしても厚みのある平織の帯に劣ってしまうのが残念なところです。

素材の特性上致し方なく、締め心地はある程度は割り切る必要がある。

実はこの角帯、もともとは女性向けの九寸帯生地だったものを角帯に仕立て替えたものです。優れた素材感を男性用の角帯として有効利用できないかと転用したのがこの商品なのです。自然布の捩り帯といえば本来は大変高価なものですが、余り布を使用したこちらのアイデア商品、カジュアルな近江ちぢみに合う大変リーズナブルなものに仕上がっています。

自然素材の良さを生かした捩り織角帯、自然布の角帯は高額で手が出ないが、やはり味や素材感を楽しみたい方に是非お勧めしたい商品です。

同じ生地を半幅帯の裏地に転用したパターン。

縫製職人が空いた仕事の隙間をみて作っている性格の商品につき、仕上がりはそれぞれ。

元の九寸帯、刺繍等の加工で生地としても秀逸なもの。