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問屋の仕事場から

2021.02.09
ビビッドカラーの大麻八寸帯

ざっくりとした夏の麻帯、現代らしい色調で仕上げた絣帯の紹介です。

世の中には様々なおしゃれな夏帯がありますが、絣で柄を作り出す商品はそう多くはありません。麻を使ったものですと以前紹介した能登上布越後上布の帯がありましたが、それとは別の趣向の大麻の八寸帯はいかがでしょうか。

冒頭の写真の通り鮮やかなパンチのきいたデザイン、格子に市松のシンプルな柄ですが手間のかかる絣を用いて柄が作られています。

この大麻の絣帯の柄はクラシックな井桁絣などたくさんのバリエーションがありますが、鮮烈色の商品の方が人気です。シンプルな無地の夏着物(近江ちぢみなど)などに合わせればビビッドな柄がよく映えます。

様々な種類の大麻絣八寸帯、2月の展示会の際に並べた様子。

デザインは近江上布を手がける伝統工芸士によるもの、毎年少しずつ柄が更新され洗練されていきます。

大麻といえばなにやら怖いイメージが先行してしまいますが、古来から日本人が繊維に使ってきたものです。日本工業規格(JIS規格)においては麻といえば苧麻(ラミー)、亜麻(リネン)のことを差します。現在では大麻(ヘンプ)は麻を名乗ることはできずに指定外繊維となってしまいました。

大麻は紡績に不向きで、その糸は節が多くどうしても粗野なものになります。野性味に溢れた生地にはざっくりした絣柄がよくあいます。絣もカチッと合わずにそこそこにずれているのもよい雰囲気になっています。

大麻の絣帯は様々な柄がありますので、きっとお気に入りのタイプが見つかるはずです。

以下柄一覧(2021年夏Ver)

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