葛(くず)といえば、秋の七草にも数えられ、その根は生薬である…
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問屋の仕事場から
- 2017.07.19
- 書籍紹介「日本の自然布」
今回は書籍の紹介です。
「日本の自然布」 別冊太陽編集部 編
植物染色家である吉岡幸雄さんによる自然布の探訪録です。
オヒョウ、藤布、科布、葛布、太布、紙衣、大麻布、苧麻布、芭蕉布などを商品、産地別に紹介。森に自生する材料の伐採から繊維にするまでの工程、染、織がすべてカラーで掲載されています。貴重な写真の数々は見ているだけで楽しく、産地の植生や、商品の質感、工程の大変さが伝わってきます。
発行は2003年で残念ながら絶版となっており、在庫なしのため版元からの購入はできなくなってしまいました。
アマゾンにおいてはプレミアがついていますが、購入はできる機会があるようです。
織物のルーツを知るうえで一冊は手元に置いておきたいものです。
出版社である平凡社さんには是非再販、もしくはリファインしてもらいたいと思います。というのはこの本が出る前、1989年に「日本の布 原始布探訪」(アマゾンにリンクします)という自然布を紹介する本が同じ別冊太陽で発行されており、15年周期ということであればそろそろ新版がでてもよいタイミングなのです。
15年も経てば作り手が存命かどうかを含めて、取り巻く環境、状況はおおきく変わっているでしょう。原始からの伝統を受け継ぐ日本の自然布の最新版、最新の美しいカラー写真で拝読できるその日を切に願っています。