畳の入れ替えを行った廣田紬の2階広間、お世話になった畳屋さん…
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問屋の仕事場から
- 2017.11.20
- 手おりの里 金剛苑 苑内紹介編
手おりの里・金剛苑は秦荘紬や近江上布を制作する工房に加え、美しい庭園に囲まれた織物資料館や生活資料館が併設されています。来訪者は伝統工芸士の指導のもとに機織りや藍染の体験ができ、文化財的価値のあるたくさんの資料を通じて織物の歴史にふれることができます。
きれいに手入れされた大きな庭園にある資料館、こちらは村役場を移築したものです。
内部は昔この地方で使われていた染織に使う道具や原材料、古裂などが所狭しと展示されています。この地方で栄えた麻産業の歴史や、糸が布になっていく工程を道具を実際に見ながら学ぶことができます。
織の資料館から少し歩いたところに、金剛庵と呼ばれる古民家があります。どこか懐かしい葦を葺いた萱葺屋根の家は江戸後期の民家(庄屋)を移築したものです。生活資料館として公開されており、昔の人々の暮らしを間近で見ることができます。
まさに明治時代にタイムススリップしたような感覚です。生活道具も一式が揃っており、保存状態も大変よく、現在でも住むことが出来るでしょう。コンクリートに囲まれた味気ない現代の生活を見直してくれるよい機会です。
そしてメインの建屋となるのが休憩所です。地元の小学校の校舎を解体、移築したもので、二階は講堂として使われていた広さがあります。
内部は近江上布、近江ちぢみをはじめとする麻商品、様々な小物もありお土産に最適です。美味しいお茶を飲みながらどこか懐かしい空間で一息入れることができます。事前の申し込みが必要ですが、個室でお食事の提供も可能です。
歴史ある織元らしく、様々なアイテムが陳列してあり染織好きにはたまらない空間になっています。
また広い園内には様々な染織材料にまつわる草木が植えられています。
芝生の広場ではバーベキューや花見(桜の時期)も可能で、シーズンはたくさんの地元の人でにぎわいます。
核心部の紹介が最後になってしまいましたが、苑内には秦荘紬、近江上布の工房があり、伝統工芸士の手によって丁寧な物づくりが行われています。
機織り体験も行われておりコースターやテーブルセンターなどの簡単なものを織ることができます。本格的なものになると、なんと着尺や帯を織ることもできます(2か月程かかるため要相談)。
藍染工房では藍甕があり、藍染体験をすることができます。一時間ほどの手軽なコースですが、真っ白なハンカチやストールを鮮やかな藍色に染め上げる貴重な体験ができます。
以上、手おりの里・金剛苑をざっと紹介しました。苑内には繊維の材料となる綿、麻などが植えられ、天蚕も飼育されていたり、紹介しきれない見どころがたくさんあります。
布、染織が好きな人にはにはたまらない金剛苑、紅葉で混雑する観光地を避けて穴場的スポットともいえる金剛苑に一度足を運ばれてはいかがでしょうか。