紬糸のざっくりとした質感が伝わる男物の下井紬、粋な崩し柄が織…
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問屋の仕事場から
- 2017.09.04
- 下井紬の広巾男物着尺
モダンなデザインで人気の下井紬、女性向け着尺がほとんどですが少ないながらも男性向けの商品も織られています。ざっくりした紬の特徴を生かした無地紬着尺の他にもデザイン性を活かした多彩なパターンの着尺、単衣夏向きに薄く織り上げた夏下井、下井伸彦氏が織りなす男物の紹介です。
市場規模からすると男性向けの着物はどうしても後回しにされがちで、男女兼用で作られることもあります。その場合、巾が1尺5分という中途半端なものになりますが、下井紬の男物着尺は1尺1寸以上と十分な幅が確保されています。そして節感が伝わるしっかりとした紬は味わい深く、手に取るとすぐに良い生地であることが伝わってきます。
基本となるのは無地、そして異なる色を組み合わせて変化を持たせたクズシ織です。
天然染料をを主体とした染はどこかやさしく、温かみを与えてくれます。
しっかりと厚みがある紬地ですので、袴に仕立てることも可能です。
更に見本帳からいくつか男物着尺を紹介します。シンプルなクズシ織のですが複数のパターンを組み合わせた少し凝ったデザインも可能です。
ほんの一部の紹介でしたが、無地、縞が多い男物の中でも斬新で多彩なデザイン、織り方が可能です。
また、「夏下井」として単衣、夏物向けに生地の密度を抑え、シャリ感を演出する強撚糸を織り込んだ商品も展開しています。
紬糸を使用することで節糸が残る紬独自の味わいも兼ね備えています。
男物の着物といえば定番の大島紬の亀甲柄やお召が第一に来ると思います。それはそれで良いものですが、下井紬はそれに飽き足らず、人とは違うこだわりの着物ライフをという方におススメです。不定期にしか作っておらず、在庫が少なく希少なものですが一度その質感をお確かめください。
以上、下井紬の男物着尺の紹介でした。