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問屋の仕事場から

2019.10.22
知花花織のミンサー半巾帯

沖縄のカジュアル帯の代名詞といってよいのがミンサーの帯、繊細で星を散りばめたような知花花織の素敵な半巾帯が織りあがってきました。

ミンサーとは綿(ミン)と狭い(サー)を組み合わせた言葉で、腰ひも程度の物もこれに相当するのですが、いつしか和装向けの半巾帯のことを指すようになりました。代表的な柄は五つの■と四つの■の組み合わせが多いシンプルな柄です。廉価品はお土産物屋さんでも数千円で売られていることがありますし、手織りの商品も短く切ってコースターなどにされています。

竹富島でつくられる八重山ミンサー、シンプルデザインで使いやすい。

かりゆしウェアの胸ポケットなどに申し訳ない程度に使われていることもあり、一般の人にとって最も身近な沖縄の染織品といえるのではないでしょうか。

首里織のミンサー半巾帯、グーシと呼ばれる竹串で糸を浮かせて作られる。

シンプルな■を組み合わせた柄だけではなく、浮き花織を使った凝った半巾帯も作られています。花織といえば首里花織や読谷山花織などが有名ですが、今回の知花花織の半巾帯は細かな浮き組織でワンランク上のオシャレ帯になっています。

経方向にカラフルで細かなドットが浮き上がる。

知花花織はその規模と歴史からマイナーな存在です。その歴史自体は100年以上ありましたが、組合組織の成立は21世紀に入ってから、伝統的工芸品に指定されたのも2012年と織物ブランドとしては比較的新しいものになります。

帯の裏側の渡り糸。

経糸浮きの花織は知花花織の特徴で、裏面を見ると渡り糸が走っていることが見て取れます。読谷山花織などの着尺では渡り糸があるため、単衣で仕立てることができませんが、この程度の長さであれば問題ありません。

生地の裏を走る糸

読谷山花織の裏、長い渡り糸が緯糸方向に走っている。

読谷山花織のように渡り糸が緯糸方向に走っていれば、帯を締める方向と垂直に干渉してしまいます。しかし知花花織は経糸方向に渡り糸が走っているので、糸にかかる負荷がほとんどないのです。

別色バージョン、

 

経浮織りで柄を出す織帯は他には博多織が有名です。精緻な文様が織りだされますが、それらは機械織りで大量生産されたもの、工業製品として作られた布はどこか味気なく感じてしまいます。それに対し、知花花織は手仕事の塊、綿糸の優しさも相まってぬくもりが感じられるものになっています。

ありふれたミンサー帯は面白くないという方に、知花花織の半巾帯はワンランク上のオシャレを織り込んでくれることでしょう。