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問屋の仕事場から

2019.10.13
ランダム雨絣の結城縮

サラリとした風合いの結城縮、一時は結城紬の大半が縮織でしたが現在では一割未満、全体の生産数が落ち込む中、大変希少なものになってしまいました。今回、結城縮の素敵な雨絣柄が織りあがってきましたので紹介します。

雨絣とは鉛直方向に途切れる雨粒を経絣で表したものです。通常は絣と地色の明度の差を大きくし、コントラストのはっきりした雨絣を浮き上がらせます。しかし今回の結城縮は明るい地色に淡い雨絣、パッと見るだけでは縞柄のようなボカシの仕上げになっています。

縮織は緯糸に強い撚りがかかっているため、通常の縞柄でも少しのヨロケが発生します。コントラストが小さくボカシのきいた雨絣に縮織のヨロケ縞に見え、近くで見てもどこで経絣が途切れているかわかりません。そして経緯100%紬糸を使う豊かな生地風は、何ともいえない絶妙な縞柄を作り出すことに成功しています。

生地を拡大してみると、複数色の経糸がランダムに配置されていることがわかります。

水色の縦縞が数本入る生地

縮結城の組織の拡大図、緯糸は撚りがかかった細い糸であることがわかる。

縞柄は一定のピッチで繰り返しになっている(縞割)ことが多いのですが、絣糸自体もランダムなピッチで作られているため反物の端から端まで同じ繰り返しはありません。

もはや縞柄、雨絣であることに気づく人はよほどの織物通。

一見するとボカシた縞柄に見える雨絣の結城縮、是非その美しさをおたしかめください。

更に淡い別色Verとの比較。