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問屋の仕事場から

2018.12.11
下井紬の一列花織無地着尺

下井紬の花織着尺、前項では絣入り着尺、前々項では縞格子を紹介しました。様々なデザインの趣向を凝らすことができますが、今回は無地の商品の紹介です。

経緯ともに紬糸を使用、良質な紬織であることが伝わってきます。糸を浮かせて模様を作る花織が横一列に配置されています。列ごとのピッチも短かくデザインされているので、控え目な淡彩ながらも着物全体が花織で飾られます。

ライトグレーの商品、写真手前が表、奥が裏、かすかな違いがある。

裏糸の通らない両面浮き花織ですが、裏表で少し表情が異なります。緯糸には色糸と白糸を交互に配置している関係で、白糸が浮いてそれがアクセントになってきます。浮糸が光を複雑に反射し、横一列に粋な輝きとなって表れます。

どちらが表、裏という決まりはないのですが、花織を強調したい場合は白糸が浮いている裏を表地にしてもよいでしょう。

左が裏、右が表

いくつかのカラーバリエーションがあり、そのすべてに身近な植物からとれる自然染料が使われています。複数のカラバリを作るとなると、経糸の色を同じにして、緯糸の色だけを変えることで段取りの工数を省くことが常套手段です。しかし下井紬ではそれをやらずに経糸を一つ一つ整経しています。コストダウンを追求するとすれば正しい手法ではないかもしれませんが、求める色を追求するために手抜きはしない、下井伸彦氏のこだわりが伝わってきます。

墨黒、ヘマチンとカテキューを使用。

下井紬の一列花織無地着尺、一色あたり1~2反ロットのごく少量生産です。無地系統が好きだけど、単なる素無地ではなにか物足りないという人に是非お勧めしたい商品です。