様々な綾織が可能な下井紬、丸まなこを地紋に織り込んだ着尺は上…
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問屋の仕事場から
- 2018.01.15
- 下井紬の綾織無地着尺
下井紬の無地着尺が織りあがってきました。
紬糸ではなく、生糸をつかった綾織で、丸まなこの地紋が映える商品です。
こちらの商品は墨黒の無地、上品なワンピースのような感覚で少々かしこまった場でも活躍します。
糸が複雑に交差する綾織は、それぞれの糸へ光の反射が異なるので見る角度によって違う表情を見せてくれます。墨黒という色の中に控えめに煌めく輝きはうっとりとしてしまうほどの美しさです。
遠目には黒系統の単色に見えますが、実は3種類の異なる色が組み合わさっています。
組織を詳しく見てみると、経糸は濃い鼠色、緯糸には藍系と墨色、2種類の異なる糸で構成されています。そして糸が一本一本交差する平織とは異なり、複数本をまたぐ糸が確認できます。この浮糸に光が当たり独自の光沢を放つのも綾織の特徴です。
この上品な墨黒色は3種類の異なる色と、丸まなこの綾織が成せる技だったのです。
染色材料はヘマチン、カテキューといった植物染料を使っていますが、各種堅牢度を確保するため化学染料を加えています。
無地の下井紬綾織は別注で作られるお客様も多い人気の商品です。廣田紬では下井紬の色見本を参考に一反からでも別注対応が可能です。
男物の巾での対応も可能ですのでぜひ一度ご相談ください。