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問屋の仕事場から

2023.12.12
白×黒ストライプ、 2種の千筋越後上布

男物に使える幅の縞の越後上布が入荷しました。白と黒の2反、それぞれの地色に黒と白の細かな縞が入っているタイプになります。重要無形文化財技法が使われる越後上布は年間で20反ほどしか作られません。

そのなかでもオーソドックスな無地、縞は絣柄と比べてマイナーな存在です。他の麻着尺などは無地、縞、格子が主流ですが、素材となる希少な手績み苧麻糸のコストが高く、どうせ作るなら付加価値をつけやすい絣柄が優先してつくられるからです。縞の商品は商売の観点からすれば非効率な商品なのです。

ただ、市場が求めるニーズはいかがでしょうか。趣向凝らした絣柄よりも飽きのこない無地、縞のニーズは根強く、特に男性物の需要は必ずあります。そこで定番色の白、黒ベースの越後上布が必要になるわけです。

今回の縞の商品は幅が1尺7分以上あり、高身長の男性でもお使いいただける広幅仕様の商品です。

オーソドックスな白、黒ベースの柄は他の麻織物では当たり前のように存在ますが、重文技法の越後上布となってくるとたちまち見つけるのが困難になります。

ストライプにする場合、縞割も様々なパターンがあります。白白、黒黒と等間隔だとグレーになってしまいコントラストが落ちて面白くありません。同色の経糸2本が並び、4本越しにそのパターンが繰り返される千筋柄にすることで、今回の2種類を作成しています。

面白いのが同じ製造元でも反物の巻きの太さがけっこう違うということです。使われる緯糸が太かったのでしょうか、長さも同じですが黒が一回り大きく仕上がっています。さらに2者の重量がほとんど同じというのも興味深い事実です。

そして今回から渋札が白いタイプに変更になっています。2点はシリアルナンバーが連番、黒は従来タイプ、白は新しい白札に切り替わったことがわかります。この手の札はある程度まとめて作成しますからそれが手元に亡くなったということです。白いタイプは染め分けが行われておらず、コストダウンタイプと言えるでしょう。

織物に貼られている証紙類はシリアルナンバー等が記載されることがあるものの、製造年月日が記載されることはありません。その鮮度を知る目安が提供されることはないのですが、こういったマイナーチェンジで知ることができるケースが見受けられます。白い札のタイプは令和4年度以降の製造品と見込むことができます。

※もっとも絹と違い麻は劣化のスピードが遅いので、古い札のものでも心配には及びません。

白黒ストライプの2種の越後上布、年明けの展示会にはお披露目させていただきますので、その深い味わいを是非ご確認いただければと思います。

 

 

 

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