公式ブログ「問屋の仕事場から」

上質な紬のお手本とも言える久米島紬、今回は廣田紬別誂の広幅の商品を紹介します。今回織りあがってきた小格子柄の久米島紬、通常の久米島紬と比べてかなり反物幅があります。普通は1尺ほどで作られますが、こちらは1尺7分もあり男性でも十分に仕立てることが可能なサイズです。

1尺7分の反物幅がある久米島紬。

着物マーケットはほとんどが女性が対象ですので、久米島紬の着物、わざわざ広い幅の商品が作られることはありません。男性や長身の女性が久米島紬をお求めになられるニーズはないがしろにされています。多くの方に知ってもらいたい素晴らしい織物なのにとても残念なことです。

廣田紬では男性や長身女性にこたえるため、広巾の久米島紬を作成しています。どうしても無地、縞、格子の商品がベースとなりますが大変貴重な存在です。過去は様々なバリエーションを揃えていましたが、生産能力が限られる現在は叶わない贅沢になってしまいました。

遠目には単なる小格子に見えますが、4種類の染料が使われていて、茶色の縞が走っているのがポイントです。

廣田紬では過去にも様々な広巾の商品を作成しており、実際に見本布を参考に一から別注することが可能です。織りあがって来るにはかなりの期間を要しますが、自分だけのオンリーワン久米島紬、現物を手にした時の喜びは格別です。

過去に作成した商品からの見本布。

染料別の色見本。久米島で採取される100％草木染めである。

久米島紬の生産数は減り続け、豊富な在庫から自分の好みの商品を選ぶことができなくなっています。廣田紬では反物巾が必要、市場に好みの色がないなど、お悩みに対応させていただきます。

諦めていた広幅の久米島紬、是非一度お問い合わせください。

廣田紬株式会社