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問屋の仕事場から

2020.12.07
空色一本縞の久米島紬

廣田紬オリジナルの久米島紬、シンプルながらも斬新な商品が織りあがってきましたので紹介します。

こちらは久米島紬の達人、安田英子さんの工房で作られたもの、ブルーの一本線が入る久米島紬らしからぬデザインに仕上がっています。

久米島紬といえば泥茶などの濃い地色に鳥や井桁などの絣が思い浮かべられますが、こちらは生成りの薄地にシンプルな一本縞が走ります。

少し濃い染め具合の経糸は8本、薄色は左右各6本で、合計20本の経糸で一本縞を構成。

空色の一本縞は琉球藍を用いたもの、2種類の濃度の違う染糸から作られています。

組織を拡大してみました。瓶覗と呼ばれるごく薄い藍色と水色の組み合わせです。

そして最大の魅力は真綿つむぎをふんだん使った、ふわっと軽い紬のお手本のような風合いです。

結城紬並みの500g台という軽さ、フワッと心地よい生地に仕上がっている。

12月の展示会の様子、ブルーの一本縞は目を引く。

風合いの良さ(糸質の良さ)と、作り手の高い技術力があいまって廣田紬オリジナルの久米島紬は高い評価を得てきました。個人レベルの工房のため、ネックは生産量が確保できないことです。近年は手間のかかる絣柄の作成は避けていますが、織ることができる数は限られ、常にバックオーダーがある状態です。

島に自生する植物染料を使った無地のバリエーション、見本帳から。

一本縞は「特甲」と呼ばれる大島紬で多用していた柄からのもの、他産地の柄転用は様々な紬を作り続けてきた廣田紬ならではのデザインです。

一本縞(2本で構成されていますが)が走る大島紬。

廣田紬の久米島紬はこれからも自由な発想で「伝統」にとらわれることない物作りをしてまいります。

別の濃い地色バージョン、同じく最高の風合いの久米島紬。

 

 

 

 

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