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- ブログ -
問屋の仕事場から

2018.10.13
木の葉舞う純草木染紬

日本有数の豪雪地帯で作られる松本夫妻の純草木染紬、秋らしいボカシ格子に木の葉が舞う粋な商品を紹介します。

松本さんの紬は植物染料の元を他から買ってくることはせず、全て自ら採集した植物染料で染められています。精錬に使う灰汁も自分の田畑から採れた藁灰を使う徹底ぶり、まさに仙人のような生活を営んでらっしゃいます。高機で丁寧に織り上げられた商品はまさに理想とする紬に仕上がり、ほれぼれする風合いです。

この作品も例外ではなく、赤芋、小鮒草、栴檀草、山桜、蓬、吾亦紅と6種類もにのぼる植物染料が使われています。ご主人の松本さんはバイクに乗って近くの里山を回り一つ一つ採集してこられるのですが、一反分を染め上げる量がそろうのに途方もない時間がかかっています。

全て手書きのラベル。1点ものばかりの松本さんの紬には複数枚同じ内容を出力するプリンターは不要。

織は主に奥さんの文子さんによってなされるのですが、今回は木の葉模様が入っています。一見刺子のような刺繍と思いますが、すくい織の技法で一つ一つ違う形状の木の葉が舞っています。こういった遊び心あふれる作品が作られることは稀です。こだわりぬかれた松本さんの紬はそもそもの生産数が限られるので大変希少価値があるといえるでしょう。

一つ一つ異なる形の木の葉、緯糸方向に糸が走っている。

裾を中心にしてハラリと舞う。

この葉っぱ、実は色、柄にまぎれてあまり目立ちません。小紋のようにたくさん施されているわけでもなく、さりげなく舞っています。着物の風合いを損ないかねない過度な装飾は避け、あくまでもアクセントとして存在しているのです。このあたりにも松本夫妻のこだわりが垣間見られます。

以上、木の葉舞う松本さんの順草木染紬の紹介でした。

 

仮絵羽仕立ての純草木染紬にさりげなく舞う木の葉。