パリッとした質感の生々紬の染帯、単衣から夏物のおしゃれ着に最…
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問屋の仕事場から
- 2017.11.06
- パリッとした生々紬の型絵染帯
シンプルな柄行が多い紬には紅型などの型絵染の帯がよく合います。廣田紬では琉球紅型の他にもオリジナルの染帯を制作しています。今回紹介するのは紬を完全に精練しない生の紬地に、京染職人が丹精込めて染め上げたおしゃれ八寸帯の紹介です。
絹というと、そのさらりとしたしなやかさで肌に馴染む素材です。しかし本来の絹糸はフィブロインというコアにセリシンというタンパク質がコーティングされて構成されています。化学処理でセリシンを取り除く除く工程を精錬といい、そのさわり心地の良さはフィブロインに由来するものです。
セリシンを抜かない生の絹はパリッとした張感があり帯地に最適なのです。しかしセリシンが多く残っていると染の発色が悪く、渋い色味となってしまいます。そこで鮮やかに染めることのできるギリギリの線で精練をうまくコントロール、廣田紬オリジナルのおしゃれ染帯が完成しました。
紬の専門問屋である廣田紬が作る染帯、紬にぴったり合う帯として長らく好評を博してきました。いくつか商品を順に紹介していきます。
こちらの商品は縁の縞は先染めのものです。薄く青い地色を染め、鮮やかな花模様を散らしている涼やかなおしゃれ帯です。
表面を拡大してみますと、節糸が残る紬地の味がよく出ています。普通の紬地にはないパリッとした風合いが効いた粋な商品です。
次の商品も同じ生地に更紗模様を散らしたものです。多色使いではない色味は単調ですが、輪部のボカシが効いた美しい染め上がりです。
縞のデザインにもいろいろあり、縞の太さが細いもの太いもの、色もグレーや赤、青など様々です。また、先染めの端縞がないものもあります。
以上、ざっとですが紹介させていただきました。
今回紹介の生々紬の染め帯は夏物~単衣はもちろん、柄によっては一年中使えるものです。
過去の見本からの別誂えの相談も承りますので是非ご相談ください。