首里織といえば、王侯貴族向けに作られていた格調高い織物のこと…
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問屋の仕事場から
- 2022.02.28
- 色彩踊る祝嶺さんの道屯(ロートン)織
祝嶺恭子さんの工房からは彩色溢れる美しい道屯織九寸帯が作られています。今回入荷した中にとても楽しい色合いの商品がありましたので紹介します。
首里織の織技法の一つである道屯堀は、平織の地模様の中に縦糸を浮かせる事で立体感を表現した織物です。ロートン織とも呼ばれ、琉球王朝時代には上流階級の官衣として使われていましたが現代では和装向けの九寸帯を中心として作られています。
首里織製作の第一人者であり、研究者、指導者でもある祝嶺恭子さんの工房で作られる首里道屯織は一味違います。浮き織りのピッチと色彩のバランスの良さは長く使っていても飽きない逸品に仕上がっています。
今回入荷した中で特に取り上げたいのがこちら。
まずはこちらの色彩感覚、思い切った目を剥く色の配列です。歌舞伎の舞台幕で使われる配列(萌黄色・柿色・黒)のイメージ、
まさしく永谷園のお茶漬けのパッケージそのもの、を意識したかどうかわかりませんが観劇にいきたくなる装いです。在庫リスクを避けるため世の中のデザインがマンネリ化していますが、伝統色の枠に縛られることなく斬新で思い切ったデザインに振ったこの作品、とても好感が持てるのです。
購入する人に「欲しい!」と思わせる鮮烈な印象、力強さを放つ良い例だと思います。
以下、今回入荷した他のアイテム、色使いの楽しさ、妙をお楽しみください。