公式ブログ「問屋の仕事場から」

浴衣や夏着物に合わせたい気軽なカジュアル八寸帯、重宝するシンプル無地の商品を紹介します。

こちらは小千谷ちぢみ（マンガン絣）に合わせた綿麻八寸帯、廣田紬オリジナルの商品です。

風の抜けが良い透ける生地が涼感を演出します。

素材は綿麻（50：50）、麻織物の産地である近江で制作。

経方向が雨絣のようになっていますが、絣糸は使われていません。糸の紡績段階で太い箇所と細い箇所を意図的に作り出し、織り上げた際に味のある糸に仕上げているのです。

生地表面は立体感があり、絽や紗のような捩り織りの雰囲気が出ています。

生地表面が凸凹、経糸の太さも場所によって異なる。

しかしこの八寸帯は捩り織は使われておらず、紗を模した模紗織り（凝紗とも）という手法が使われています。

組織を拡大してみると捩り織の組織とはなっておらず、経糸が3本まとまって生地に隙間を作っていることがわかります。

立体感の理由は3本の経糸を一本の緯糸が押し上げて、凹凸を作り出しているからです。

大変シンプルな無地の織帯ですが、太細の糸づかいと、模紗織りの立体感で粋な一品に仕上がっています。

カラーバリエーションはパステルカラーの6種類、無地ですので刺繍などの加工用生地としてもお使いいただけます。

シンプルな無地帯ですが、素材や織りの工夫でその素朴な美しさが光っています。

廣田紬株式会社