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問屋の仕事場から

2020.09.23
高価買取してもらえる着物、紬のポイント

不要になった着物や帯を売りたいというニーズは増え続け、世の中には着物買取専門業者がたくさん登場しています。高価な着物を二束三文で買い取られないためにも、高価買取してもらえる商品の重要なポイントをしっかりと押さえておくことが大切です。

廣田紬株式会社では中古品の買取をすることはありません(古物商免許も所持しておりません)が、最近、業者様だけではなく一般消費者様からも紬についての鑑定依頼が来るようになりました。多くは有名紬にあやかった偽物紬で、玉石混交の「玉」に出会うことはほとんどありません。

玉石混交の紬、素人が生地だけで鑑定するのは困難。

買った時は高い値段だったのでしょう、出来るだけ高く売却しようと、どこの業者にどのように売れば良いか悩まれている方が多いのが現状です。

そんな鑑定需要を踏まえて、織物流通のプロとして現在価値のある商品について独自の視点で分析してみました。

まず前提として着物を高額で売却できる可能性は非常に低いということを知っておいてください。

着物は金などの貴金属と違い流動性が低いため、確たる相場が醸成されていません。買い取り業者側がリスクを抱えやすい商材は、どんなに高価なものであっても買取価格が著しく低くなる傾向があります。それを念頭においた上で、どのような着物が高価買取されるのか、いくつかポイントを紹介します。

 

・生産数の限られた有名紬や上布であること

オシャレ着である紬などは趣味のアイテムとして根強い需要が有ります。結城紬や宮古上布などは生産数も少なく、カテゴリーの中で最大のリセールバリューを持っています。

一方、振袖や留袖などのフォーマル物についてはよほどの作家先生の作品でない限り万の単位がつく高価買取は期待できません。柄に流行がある上、お祝い着に中古品を当てがおうというニーズが少ないからです。

【キーワード】結城紬、黄八丈、郡上紬、久米島紬、宮古上布、芭蕉布など

需給バランスがとれた商材はリセールバリューが高い。

 

・反物(未仕立て)の状態であること

ハサミを入れていない反物の状態だと高価買取してもらえる確率がグンと上がります。嫁入り道具や結納返しなどで反物(平たたみの状態でも)が桐箱に収まって入れば最高です。

一度も着用していない着物であっても仕立ててしまえば、商品価値は一気に10分の1になるといっても過言では有りません。

未仕立てで反物の状態なら最高、写真は結城紬(巻き反ではなく平たたみのことが多い)

なお、仕立て代の方が商品価値の何倍もかかるような低価格帯の紬は仕立済みの方が値段がつく傾向がありますのでその点は注意が必要です。

 

・産地(出所)のわかる証紙があること

その着物がどういう素性のものか、一見してわかる証紙があれば高価買取の可能性がグッと上がります。証紙がなければ着物買取業者を謳う人間でも判別は困難だからです。買取業者も織物に詳しい人はごく一握り(業界OBが活躍しています)で、仮に業者が正しく査定してくれても、その後の流通過程で詳しい人間が取り扱う可能性が低いのですから、誰でもわかる目印があった方が良いのです。

なお産地だけではく人間国宝などの作家物の落款なども参考になります。

また、どれだけ有名店のたとう紙に包まれていたとしても買取額UPの説得材料にはなりません。

人間国宝の工房の落款と芭蕉布の証紙、間違いのない分かりやすい逸品。

この証紙があるかないかが一番のポイント(出生不明の商品は二束三文コース)といってよく、リセールを考えるのであれば必ず残しておくようにしてください。

 

・生地に目立ったダメージがないこと

ヤケやシミ、カビや虫食いなどのダメージのない着物であれば高価買取対象となります。カビや汚れは状態によっては洗張りで元どおりになりますので、クリーニングコストをかける価値のある着物であれば査定員にプッシュしてみましょう。

一方、虫食いや生地の劣化などの致命的なダメージがあれば買取の対象にすらならないことがあります。

全体にシミが広がった結城紬、こうなっては手の施しようがない。

 

・普遍的なデザインであること

無地や縞、格子柄などの普遍的な柄の場合は高価買取が期待できます。

一方、どれだけ凝っていても奇抜な柄、原色系の派手な色彩、季節感が強いものや用途が限られるデザインは買取価格ダウンの大きな要素となります。

とても可愛い絣柄だが、人の好みは千差万別、普遍的なデザインが吉。

・サイズが適切であること

オシャレ着の場合、反物の長さが3丈3尺(12.5m)以上、幅が1尺(約38センチ)あれば、高価買取対象となります。

現代の織物は1尺(約38センチ)程度の幅で織られている。

一方、3丈2尺(12m)以下、幅が9寸5分(約36センチ)以下だった場合は、旧規格と見なされて買取価格が下がります。昔(1945年)と今(2020年)の日本人女性の平均身長が10センチも違うため旧規格では販売対象が限られてしまうからです。

古い紬(着物)の規格、長さが12m程度では現代では通用しない。

さらに製造から数十年たった古い商品である証拠と見なされてしまいます。仕立て上りの場合は身丈が160センチを目安にされると良いでしょう。

 

上記の条件を満たしたもの、例えば「結城紬のシンプル柄の反物(新証紙)」などであれば買取業者が喜んで出張査定に来ます。有名百貨店で購入した100万円の振袖が二束三文にしかならない現実と比べれば、いかに人気紬のリセールバリューが高いかご理解いただけると思います。

これらの条件が揃った場合、買取業者に出さずに、オークションなり、フリマアプリなど個人間取引を行った方が確実に高価で販売が可能です。場合によっては10倍以上の高値で販売することも不可能ではありません。多少面倒でも出品方法がわかる方は時給数万円の仕事だと思ってトライしてみてください。

 

 

面倒な方は着物買取業者へ連絡

着物の高価買取が期待されるのには様々な条件がありましたが、都合の良いものが出てくることは稀でしょうし、そもそもいちいち一つ一つ確認することも面倒という人のために着物買取業者があります。

どこがオススメ?と思われるかと思いますが、一定の水準でマニュアル化されてる大手業者であれば査定員による当たり外れが少ないでしょう。着物以外の買取も行なっていますし、取引がシステム化されていてスムーズに現金化が進みます。

参考までに大手買取業者のリンクを貼っておきます。相見積もりを取ることで条件が改善することもありますので、複数の業者に問い合わせてみることをオススメします。

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以上、いくら購入時に高かった着物でも現代のニーズに合致しなければ、絹であろうが木綿であろうが二束三文です。

着物買取業者の手に渡った着物は中古市場で新たな人生を歩み始めます。誰の目にもとまらずタンスの中でカビていくのを待つより、新しい嫁ぎ先で活躍してもらうためにもとりあえず買取業者に連絡してみてはいかがでしょうか。

 

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