スイス、Spoerry社のアイスコットン糸を使用した近江ちぢ…
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問屋の仕事場から
- 2020.05.26
- 粋な和柄のアイスコットンのマスク
100%天然素材の接触冷感生地で話題のアイスコットン、近江ちぢみである着物生地は表面にシボ加工が施されていて、肌への接触面積を抑えることができます。伝統技法で作られた近江ちぢみと最新の紡績技術で作られたアイスコットンの融合、素晴らしいマスクが出来上がりました。
近江ちぢみとは近江の国(滋賀県)で作られる、生地表面にシボ(シワ)加工を施した織物のことです。生地に凹凸があることで肌にまとわりきを防ぎ、サラッとした風合いをもたらしてくれます。伝統の近江上布(麻織物)の技術を様々な布に展開したもので、浴衣などの夏生地はもちろん、寝具などへの幅広い展開がされています。
そして今まで夏にマスクをすることは考えられませんでしたが、今はマスクをしていないと白い目でみられてしまいます。従来の不織布のタイプや布マスク(いわゆるアベノマスク)では蒸れてしまい、とても夏場に着用し続けることはできません。メガネは曇りますし、アトピーをはじめとする皮膚の弱い方にとってはもちろん、普通の人でも熱中症になってしまうのではないでしょうか。
従来のマスクに耐えられず、機能性Tシャツなどを裁断して夏用マスクを作る動きが話題となり、ついにユニクロはマスクの生産をすると発表しました。市場に供給されるのにはどれだけ時間がかかるかわかりませんが、夏用の機能性マスクを販売する動きが続いています。
様々なメーカーから夏用の機能性マスクが販売されていますが、アイスコットンの近江ちぢみ着物生地のマスクはそれらとは一線を画するものです。
何よりも嬉しいのがポリエステルといった化学繊維の生地ではなく、100%天然素材(綿85%麻15%)の接触冷感素材であることです。
さらに抜群の通気性のよさ、この夏は手放せないマスクとなることでしょう。
今回マスク用に使用したのは網代柄と呼ばれる無地感覚の着物生地、崩し柄とも呼ばれる和装柄です。
一反に2色パターンが入っているので、濃淡のある2種類のマスクを作ることができました。全体ではグレーの生地に見えますが、実際には茶色と薄紫が使われていて、経糸と緯糸の配置の妙で何とも言えない色味を実現しています。
早速商品をみていきましょう。
鼻から顎にかけて全体を覆う立体タイプの商品です。紐は使用者にあわせてサイズ調整をしてもらうため、あえて結んではいません。結び目は紐を通す穴にしまいこんでもらえば、結び目が見えずにすっきりとします。
縫製は普段着物を仕立てている京都の和裁士さんによるもの。ミシン仕立てになりますがとても丁寧に縫い込まれています。
柄があるので汚れが目立つことがなく、さらに最初からシワ加工がされているので嬉しいアイロンフリー仕様です。
裏表にアイスコットン着物生地を使っていてダブルガーゼ構造となっています。通気性がとてもよく、不織布のマスクにありがちなメガネが曇ることもありません。
麻が混紡してあることで普通のガーゼ生地に比べてハリ感があり、立体マスクに必要な空間をしっかりと確保しています。
サイズは女性向けのM寸(13.5㎝×10.5㎝)ですが、生地が横方向に若干伸び縮みしますので男性でも問題なく着用することが可能です。
先行してマスク用生地の切売りをはじめましたが、「マスク自体の販売はないですか」との問い合わせが多く、今回商品化、販売することになりました。生地から作るのは面倒だという方、裁縫が苦手な方、いち早く冷感マスクが欲しい方、数量限定になりますがお求めいただければと思います。
普段着物に接することのない方に、マスクという必須アイテムを通じて「伝統の近江ちぢみ」の魅力が少しでも伝われば幸いです。
※本製品を着用することでコロナウイルスへの防疫効果を保証するものではありません。
※アイスコットンは生地自体が冷たいわけではなく、触れた時に肌の熱を奪う接触冷感素材です。