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問屋の仕事場から

2019.12.08
琉球の織物が揺蕩うクリスマスツリー

那覇空港の国際線ターミナルビル3階ふくぎホールに琉球の織物を使ったスペシャルクリスマスツリーがお目見えしました。

喜如嘉の芭蕉布、久米島紬、首里織、知花花織、宮古上布、読谷山花織、琉球絣、琉球紅型、8種類の沖縄の染織品が使われたもので、扇風機で風を巻き上げることで布が宙に舞うような演出がなされています。その名も「TAYUTAI」、たゆたう琉球の布々が主人公です。

企画は琉球びんがた普及伝承コンソーシアム、okicom(沖縄のIT企業)によって行われ、セイタロウデザイン代表の山﨑晴太郎氏により製作されました。紅型に関係する団体の企画だけあって草案の段階では染生地が舞うものでした。クリスマスらしいカラーを纏ったツリーになっています。

企画段階の草案、紅型が宙を舞う。

しかし12月1日に点灯式が行われ、お披露目されたツリーは少々異なるテイスト。沖縄各地の染織品が大集合してまさに「ちゃんぷるー」(琉球方言で混ぜこぜの意)。大型のサーキュレータが起こす旋風で各布々が舞い上がり、唯一無二の現代アートとして注目を浴びています。

あえて国際線の旅客ターミナルに設置された(国内線には別のツリーを設置)のは、沖縄を訪れる世界の人々に琉球の文化を知ってもらうためです。沖縄の染織文化は周辺諸国(日本も含む)の多様な文化、技術を取り込み独特の発展を遂げました。たくさんの外国人が行きかう国際線ターミナルへの設置は沖縄の染織文化をアピールするのに絶好の場となることでしょう。和装分野に比重を置かざるを得ない歪な市場構造を少しでも打破したいという強い志、素晴らしい染織文化が少しで外へ外へ伝わればと思います。

展示は翌年の1月中旬まで、クリスマスツリーといえば25日が終わると撤去されてしまうものですが、ここまでくればもはやクリスマスアイテムのカテゴリーではありません。不定期で柄を替えて常設してもらいたいものです。沖縄の染織品のスペシャルツリー「TAYUTAI」、是非ご覧になってみてください。

当初のデザイン、和装向けの反物の巾ではない洋装向けのサイズが使われている。